メダカは、本来、川で暮らす魚です。
しかし、現在では、川で見かけることはごく稀です。
新しい生活様式が広がる中、お天気の良い日には、人混みを避け、山や海に出かける人が増えています。
子どもに自然を体験させるため、川に居る生き物を捕まえて持ち帰ることもあるかもしれません。
持って帰って育てたいなぁ。
それはメダカじゃないかもしれないよ
ここ最近川で見かけるメダカと思われる魚の大部分が、メダカではく、カダヤシという魚なんです。
知らない間に、法律違反を犯しているかもしれません。
今回はカダヤシ飼育のことについて解説します。

カダヤシの飼育
カダヤシって、あまり耳にしない名前です。
ここでは、カダヤシについてみていきましょう。
カダヤシってどんな魚

カダヤシは、北米原産の魚で、1910年代に日本へ入ってきました。
蚊絶やしの名前の通り、ボウフラ対策として日本各地に広まり、現在では東北地方南部から九州にかけて広く分布していることが確認されています。
カダヤシは、パッと見たらメダカと酷似しています。
よく見るとメダカよりヒレや体が丸みを帯びていますが、初心者では区別がつきにくいです。
環境省は、2006年に、攻撃性の強いカダヤシが、生態系を破壊する恐れがあるとして、特定外来生物に指定しました。
カダヤシを飼育することは、違法です。
特定外来生物、外来生物法とは
カダヤシを理解するために、特定外来生物のことや法律を理解しておく必要があります。
国外由来の外来種のことを「外来生物」と言います。
外来生物によって、日本の生態系への被害が拡大するため、2005年6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」通称「外来生物法」が施行されました。
「外来生物法」と言われても、法律とは分かるけど、難しいですよね。
この法律の目的は、生態系や農林水産業、人の命に被害を及ぼしている、または及ぼす可能性のある外来生物が対象になります。
その輸入や取り扱いに規制をかけることにより、野外への新たな侵入を防ぐことです。
また、必要に応じて駆除することで被害を防止することも目的としています。
特定外来生物を飼育したら
外来生物法に違反して、無許可で特定外来生物を飼育、運搬すると罰が課されます。
法律は、知らなかった、気づかなかったという言い訳は通用しません。
罰則の内容は、次の通りです。
許可なくペットとして飼育した個人に対しては、1年以下の懲役や100万円以下の罰金が科せられます。
特定外来生物の飼育は犯罪です。
十分に注意しましょう。
メダカは絶滅危惧種
昔の日本には、川や池、田んぼの行くとメダカが泳いでいる光景が当たり前でした。
しかし、農地の整備や住居建設、道路建設による埋め立て工事など、人間が自然に手を加えたことにより、生態系が崩れていき、メダカの数が激減しました。
これにより、1999年、環境庁(現在の環境省)が、メダカを絶滅危惧種2類に指定しました。
絶滅危惧種2類とは、絶滅の危険が増大している種類のことを言います。
現在の圧迫要因が継続すると、近い将来絶滅危惧種1類に移行されることが確実とされ種類でもあります。
つまり、現在では、自然のメダカはとても貴重な存在であるといえます。
メダカとエビを一緒に入れて良い?混泳に適したおすすめエビ2選!


カダヤシ飼育【まとめ】
今回は、法律の話なので、少し難しくなりました。
素人では、メダカとカダヤシの区別がつきにくいため、知らないうちに法律違反をしていることがあるかもしれないです。
自然の中で楽しむことは大切ですが、絶対、川のメダカと思われる魚は持ち帰ってはいけません。
メダカを飼育しようと思ったら、ショップで購入するか、メダカを飼っている人から譲ってもらいましょう。
メダカの過密飼育はどうしてダメなの?初心者にもわかりやすく解説!

